2018年12月に漢検2級のCBT試験を受けたのでその様子をまとめました。
1. CBT試験とは
CBTとはComputer Based Testingの略です。
その名の通り、パソコンを使って試験を受けます。
つまり、問題用紙や解答用紙は配られないということです。
パソコン上に問題が表示され、解答はパソコンに入力していきます。
CBT試験は漢検以外の試験でも広く用いられているようで、私もITパスポートはCBT試験で受けました。
漢検のCBT試験で一番気になるところは、書き問題にどのように対応しているかというところだと思います。
そのあたりを詳しくまとめましたので、CBT試験で漢検を受ける機会がありましたらこの記事をご活用ください。
2. CBT試験のメリットとデメリット
CBT試験を受けて実際に感じたメリットとデメリットです。
メリット
○ 場所を選べる
○ 試験結果が一週間くらいでわかる
デメリット
× 問題はパソコンのディスプレイに表示されるので問題用紙は配布されない
× 身分証とロッカーの鍵以外は持ち込めないのでメモを取ることもできない
× 正確な自己採点ができない( 自信がない問題を頭に記憶しておいて後から答えを確認するしかない )
× いつでも受けられると思うと勉強がはかどらない
漢検は個人受験が年3回しか無いので、学校や仕事の都合で急いで資格を取りたい人にはCBT試験がおすすめです。
逆におすすめできない人は、パソコンなどを使うのが苦手な人です。
書き問題はペンタブレットで解答するので、試験で初めてペンタブに触る人も難しいのではないかと思います。
あと、1級と準1級はCBT試験では受けられないので注意してください。
3. 私がCBT試験を受けるまでの経緯
中学生の時に初めて漢検を受けて準2級を取りましたが、それ以来漢検から遠ざかっていました。
漢検を受けようと思ったのはブログを始めたので語彙力を増やしたいと考えたのがきっかけです。
CBT試験を選んだ理由は「いつでも受けられる」というメリットがあったからです。
最初に漢検を受けようと思い立ったとき、どうせなら1級まで取ろうと決めました。
準2級は持ってるから次はとりあえず2級をと思い、行動し始めたのが12月のはじめでした。
調べると、次の個人受験は2月上旬だったので勉強できる期間は2ヶ月あります。
2級に2ヶ月間かけて勉強するのは時間がもったいないかも……
じゃあ今から2週間後くらいにCBTで2級を受けて、2月の試験で準1級を受ければちょうどいいかも!
という流れで2級をCBT試験で受ける事にしました。
4. CBT試験申込から試験当日の流れ
申込は漢検公式HPからできます。
試験会場は通勤定期券で行ける新宿駅前テストセンターを選びました。
試験は13時スタートで、9時くらいに新宿に到着。
時間まで近くのデニーズで勉強していました。
試験会場には開始30分前から入れるので、12:35くらいに着くようにしました。
新宿駅前テストセンターはJR新宿駅から徒歩3分くらいのビルの6階にあります。
入口は全面ガラス張りで入って正面に受付があります。
入口と受付の間のスペースにちょっと広めな空間があり、椅子が20脚くらい置かれています。
受付を済ませた人が試験開始までそこで待機するようです。
その時待機していた人は、3~4人くらいいたと思います。
ここにいた人は全員が漢検を受けるわけではなく、別の試験を受けに来た人もいたようです。
ちなみに、同じ級の漢検を受けに来た人でも全員一斉にスタートということはなく、一人一人部屋に案内されて各自自分のペースで試験を始めていました。
テストセンターに入ったら、まず受付をします。
身分証を提示して、登録した氏名生年月日を確認して、利用規約にサインしました。
そうすると、ロッカーの鍵とCBT検査の注意事項のプリントを渡されます。
CBT試験では、身分証だけを携帯して他の荷物や上着はロッカーに入れておかなければいけません。
身分証以外の物は一切持ち込めません。
たぶんひざ掛けとかはOKです。
ロッカーに荷物を預けてまだ時間があったので、ここでトイレに行っておきました。トイレに行った後は椅子に座って待機しました。
そして試験開始10分前に持ち物検査が始まりました。
・腕時計は外してロッカーに入れる
・ポケットには何も入っていないようにする
・メガネを外してレンズの内側を確認される
検査が終わるとパソコンがある部屋に案内されました。
パソコンが置いてある席が20~30席くらいあったと思います。
デスクは隣の席との間に仕切りがありました。
パソコンの周辺機器、試験についての説明は特に何もされず、疑問点があれば呼び出しボタン(ファミレスにあるような)を押して下さいと言われ、一人になりました。
勝手にはじめちゃっていいのかな…と少し不安になりながら、とりあえず受付でもらったプリントに書いてあるログインIDとパスワードでパソコンにログインすると…
試験の説明の動画がいきなり始まって驚きました。
プリントに書いてある注意事項を読み飛ばしてました…(汗)
でもこの動画は一時停止したり巻き戻したりすることはできるので見逃しても大丈夫です。
ただし動画を見る時間は決まっています。
動画は全部で7分くらいあって、これを10分以内で見ないといけないです。
タイマーは表示されています。
動画が終わったらローマ字入力、カナ入力とペンタブの左右の向きを設定しました。
自分がやりやすい方で設定しましょう。
次に練習問題を解きました。30問くらいを10分以内で解きます。
もちろん試験結果には反映されません。
書き順問題とか総画数の問題が出たから4級?くらいのレベルだと思います。
4級を受けたことがないからよくわかりませんが。
出るのは簡単な漢字(「体」とか)ですが、意識して練習してないとちょっと焦りますね。
練習問題を解き終わって残り2分くらいあったけど、もういいやと思って本試験を始めました。
読み問題はキーボードで打つので、手書きより速いかもしれないです。
書き問題はペンタブで書きます。部首問題も。
一通り問題を解き終わって見直しもして、残り20分くらいで終了して退室しました。
CBT試験は試験が終わり次第退室できます。
残り時間は画面に表示されています。
帰り際に試験結果を見るためのIDとパスワードが書いてあるプリントを渡されました。
結果は試験の8日後の午前10時から見ることができます。
5. ペンタブについて
実際に使ってみないと伝わらないと思いますが、自分のための備忘録として使い方を載せておきます。。。
・書くときは「えんぴつ」をタップしてから書く
・書いた字はペンタブ本体に映し出される
・書いたものを解答に反映させたいときは「確定」をタップする
・書き直したいときは「消しゴム」か「すべて消す」のどちらかを使う
・「消しゴム」はなぞったところを部分的に消せる
・「つぎ」「まえ」をタップすれば、前後の問題に移動できる。キーボードの矢印キーでも問題の移動はできる
ペンタブはワコムでした。
調べたら2種類のペンタブがあるようです。
見た目は少し違いますが大体同じ使い方だと思います。
ペンタブの使い心地は思ったより悪くなかったです。
気になるところは次の三つくらいです。
一つ目は、ペンタブで書いたものを解答に反映させるときにタイムラグがあるところです。
「確定」をタップしてから反映するまでに 1秒くらいタイムラグがあります。
人によってはストレスになるでしょう。
二つ目は、突き出さない部分が書きにくいということです。
たとえば「矢」みたいな漢字です。
突き出さない部分を書くのは結構難しかったです。
ペンタブで書いたものがペンタブ上に表示されるようになっていますが、上の横棒から線がはみ出さないようにするのが難しかったです。
はみ出したときは最初から書き直すか消しゴムで部分的に消していました。
でも、ほんの少し出ているぐらいなら採点にはたぶん影響はないと思います。
ペンタブでイラストを描けるぐらい使いこなしている人なら難なく複雑な漢字も書けそうですね。
三つ目は、紙の試験の解答欄より漢字を大きく書くことになるので書くときに違和感があるかもしれないです。
心配な方は事前にスマホの手書き入力で練習するといいと思います。
スマホ画面がペンタブとちょうど同じくらいの大きさなので練習にもってこいです。
アプリはエバーノートの手書き入力が便利です。
私は2級を受けた時はそこまで気が回らなかったので特に練習はしなかったのですが、準1級の勉強の時にスマホで漢字の書き取りをしていました。
とにかく漢字を書いて覚えるので紙とインクの減りが尋常ではなくて、節約のために小さく漢字を書いていると画数が多い漢字はなんだかよくわからない状態になって、もっとスマートなやり方はないかなと思っていました。
蠅とか聾とか小さく書くと横棒が何本あるかわからないんですよね。
二字熟語なら (スペース的に) 余裕でスマホに書けるので漢字の書き取り練習にはおすすめです。
スマホ上で書いては消し、書いては消しを繰り返すので過去問1回分を通しで解く場合にはもちろん向かない方法ですが、勉強し始めのまだ漢字を覚えてない時期なら有効な方法だと思います。
話がそれましたが、ペンタブと紙ではやはり違いますので、CBT試験を選択する際は念頭に置いた方がいいと思います。
あ、あと、ペンタブだと手が汚れないのは地味に良かったです。シャーペンだと擦れて手が黒くなっちゃいますよね。
6. 試験を終えての感想
CBT試験は本当に便利です。CBT試験のメリットはいろいろありましたが、こんなに短期間で準1級に挑戦できると思っていなかったので、私にとっての最大のメリットは、いつでも受けられるという点です。
また、実際に受けてみてパソコン特有の機能がいろいろあることに気付いたので以下にまとめました。
- チェック機能がある。自信がない問題はチェックをして、見直す時の目印にできる
- 「熟語の構成」はキーボードで選択肢を打って解答するようになっている。(例)解答が”ア”の場合はaを打つと自動でカタカナのアになる
- 四字熟語の意味を選ぶ問題では選択肢の四字熟語が見やすい位置に表示されているので選びやすかった
- 誤字訂正は正しい漢字だけを書けばいいので少しは時間短縮になった。普通の試験だと誤りの漢字も書く欄があるはず
CBT試験だと特殊な問題が出るかもしれないと思っている方がいるかもしれませんが、実際そんなことはなく、テキストに載っていた問題が大半でした。
下記は、参考書で見た記憶がないけど出てきた問題です。
これ以外の問題はテキストに載っていたと思います。
- 読み → 係累
- 書き → 山車、湾曲
- 部首 → 聖
ちなみに私はこちらのテキストを使いました。
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CBT試験はパソコン操作に問題ない人ならメリットが多いのでおすすめです。
漢検の受験を検討している方は是非CBT試験でどうぞ。